*この記事は基本的に中3生以上、もしくは大人の英語学習者向けです。

adera

阿寺渓谷

 

こんにちは!古橋です。

 

先日、教室で作業をしていた時のこと。高校生の女の子が他の先生に質問する声が耳に入って来ました。内容はwillとbe going toの違いについて。

「willも含めて助動詞は主観的なニュアンスを表すことがあって…」

という説明。おお、と納得しながら横で聞きつつ、自分はそういう切り口で伝えたことがなかったな、と考える。

同時にバチっと点と点がつながった瞬間でもありました。何が…って少し長くなるかもしれませんが書いてみます。

 

|推量について

willやcanなどの助動詞の単元で「推量」の話をすることがあります。例えば、「彼は医者です。」って英語でなんて言いますか?

そう、” He is a doctor. ” です。これは彼=医者という「事実」ですよね。

 

【事実】He is a doctor. 

 

一方、「彼が医者かどうか」が分からないときは主観的に推し量ることになります。例えば病院内で白衣を着ている男性がいた。「彼は医者に違いない。」事実は分からないけど、話し手は100%そうであると確信しているとき。

「違いない」はmust。”He must be a doctor. ” です。

 

【事実】He is a doctor.  


【推量】He must be a doctor. 

 

事実と推量。この2つには大きな差があります。

ついでに正反対の推量も考えてみましょう。例えば、病院併設のコンビニの前でヤンキー座りでタバコを吸いながら、ビールの空き缶に囲まれているパンチパーマの男性がいたとします。(人を見た目で判断してはいけません)

「彼は医者であるはずがない。」こう思ったとします。英語で言うと?ちょっと考えてみてください。ちなみに中1で習う単語を使います。

He can’t be a doctor.

 

ここまでをまとめてみます。

 

【事実】He is a doctor.  


【推量】He must be a doctor. (100%)

    He can’t be a doctor. (0%)

 

* %は「話し手がそう思っている」度合い。主観的な判断。

 

この他にも推量表現はあって、中間の50%ぐらいなどを紹介したい気持ちもありますが、本筋からそれるので一旦ここまでにします。

伝えたかったのは、ここではmustなどの助動詞が主観的な判断を表しているということ。言うなれば「自分がそうだと考えている」だけです。事実かどうかは別の話になります。

「助動詞」→「主観的」あとで出てくるのでぜひ覚えておいてくださいね。助動詞は主観的。

 

|mustとhave to

で、やっとタイトルのmustとhave toの話です。お察しの通りキーワードになるのが「主観」です。

中学でmustとhave toを習いましたよね。⬇︎のような書き換え問題に見覚えがないでしょうか。

 

  I 【 must 】do my homework.

= I 【 have 】【 to 】do my homework.

 

これ間違ってますよ、なんて言うつもりはありません。大体こういう問題は「空欄を埋めてほぼ同じ意味の文にせよ」って書いてあります。

親切な先生であれば「実際は少し違うんだけどね」と、両者の違いについてより詳しい説明をしてくださったことと思います。

 

先ほどの話を思い出しましょう。mustは助動詞です。ということは?そうです、主観的な判断を示すことがあります。

つまり”I must do my homework. “は「宿題をやらなければならない」と自分が強く思っているということ。

一方の”I have to do my homework. “は、他者からの強制・約束などで「やらなければならないとされている」こと、です。

宿題、という語でまず連想するのは後者ですよね。もちろん、宿題であっても本人が心から必要としていて、やらなければならないと認識している場合は”I must do my homework. “と言っていいと思います。

 

mustが内発的、have toが外発的と言い換えてもよさそうです。

(主語をYouにしたり、否定文にするとまた違ったニュアンスが出ますが、分かりやすくするために今回はあえて主語をIに限定して単純化しています。)

I mustとI have toの違い、伝わったでしょうか。冒頭の助動詞willの説明を聞いていて、この話が頭の中でリンクしました。ちなみにI willと言うときは、「するつもり」という自身の強い意志を示すことがあります。理由はもう分かりますよね。

 

|自分の中でmustとhave toを切り分けて考えてみる

数日後、高3男子Tくんの授業中のこと。受験生らしく「やることが多くて」という声。といっても愚痴っぽい口調ではなく、単純に「やらなければならないこと」や「やりたいこと」が溢れ、何から手をつけたらいいか迷っているようでした。頭の中が大渋滞中に見えたので、A4の真っ白な紙を渡し、とにかく一回書き出してみたらどうかと提案しました。

 

【Tくんのメモ】

志望校のこと

Duo(単語帳)

オープンキャンパス

センター模試

漢字の部首

化学

物理のファイリング

*本人にしか分からないこともあると思いますが、あえてほぼそのままで

 

この時点では書き出してもらって一緒に整理しよう、くらいにしか考えていなかったのですが、リストを見ていて思いついたことがあり言いました。「そういえば、mustとhave toの違いって覚えてる?」と。

 

▪︎

 

そしてこうなりました。

S__270417923

 

【その後】

5分程度で終わるものはさっさと終わらせてリストから消した方がいい、と伝えてみたり、「これは自分的にmustとhave toの中間な気がします」「まあそういうのもあるよね」ってやりとりがあったり。

内発的なmustが望ましい感じがしますが、かといってhave toが悪者な訳でもないと僕は思います。そういう外側からのプレッシャーのおかげで鼓舞されることもある。

少なくとも自分は内発的な動機だけで動き続けられるほどできた人間ではないです。やらなければ、と思いつつ皿洗い忘れたりしますし^_^;

 

もちろんこれで万事解決、という訳ではないのですが、来た時よりスッキリした表情になって帰っていく生徒を見て嬉しく思いました。

久々にちょっと長くなりました。それではまた!

 

【参考文献等】
・Grammar in Use
Must vs Have to(BBC Learning English)
↑この動画、要点はっきりでめちゃくちゃ分かりやすかったです。



コメントを残す